2015年06月20日

今宵、お兄ちゃんに夜這いします。04


「まっ、待って! お水、私がとってくるからお兄ちゃんはそのままでいて。目は、閉じてて!」

大声でそう叫ぶと、友哉は怪訝な顔をした。ただ、それだけだ。起き上がるのをやめようとはしない。

「……っ」

息をのんだのは、ふたりとも。
智香はむきだしの乳房を隠すべく両腕を正面に張りつけてうつむいた。
友哉は目を見ひらいて、しかし床に座り込んだままの彼女から視線を逸らしたりはせず、むしろじいっと凝視している。

「……水、くれよ」

降ってきた声には何の抑揚もない。

(あきれられてる……?)

それもそうだ。真夜中にこんな格好で兄を襲おうとしていたのだから。

「智香」

「はっ、はい」

うつむいたまま立ち上がり、すぐにまわれ右をして台所へ駆ける。
智香が身に着けている紫色のキャミソールとショーツは透けている。だからうしろを向いたらお尻が丸見えになる。

(ううっ、見られてる)

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してグラスに注いでいた。
ちらりとうしろを盗み見ると、友哉は相変わらず智香を注視していた。


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