2015年12月21日

先生の淫らな指先01


 先生と「こういう」関係になったのはつい最近のことだ――。


「……失礼、します」

 わずかに震える指先で指導室の扉を開ける。カラカラと乾燥した引き戸の音と、放課後特有の喧噪――誰かの笑い声がする。
 部屋のなかにいる男をちらりと確認し、すぐにまた目を伏せる。

「ああ……。入れ」

 男の声はいつも平坦で抑揚がない。気のない、声。
 辻村 綾音(つじむら あやね)はうつむいたまま「はい」と小さく返事をして、指導室のなかへ入った。
 室内には夕日が差し込み、机を照らしていた。その片側には、腕と脚を組んで椅子に座る若い男。綾音の担任――雪谷 一翔(ゆきがや かずと)だ。

「……座れよ」

 綾音はびくっ、と肩を震わせた。
 先ほどと同じように小声で返事をして、先生の向かい側にある椅子に座った。

「それで? 自分で外したりしていないだろうな」

 綾音の頬がいっそう紅潮する。

「し、してません……」
「じゃあ、見せてみろ」

 うなずきながら下を向き、セーラー服のうえに羽織っていたセーターのボタンに手をかける。
 手もとがおぼつかない。性的に興奮しているからだ。
 ベージュのセーターを袖から抜けさせ、ひざのうえに置く。
 雪谷の視線は白いセーラー服の、ふくらんだところに集中している。そこは不自然に盛り上がっていた。

「電源、自分で入れてみろ。今日は一日、ずっと焦れてたんだろ?」
「そ、んな、こと……」
「ふうん……? まさか、もういじったあとじゃないだろうな」
「しっ、してません、自分でなんて」
「じゃ、早く」

 クイッ、といかにも横柄にあごを動かして雪谷は綾音を急かす。

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posted by 熊野まゆ at 10:25| 先生の淫らな指先《完結》


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