2016年02月21日

満員電車のデキゴコロ03


「……っ」

 そんなつもりはない、とすぐに否定しなければならないのに、口からはなにも言葉が出てこない。

 彼の手がなまめかしく動く。白いセーラー服の背をゆるゆると撫でおりる。
 美奈は息を吸い込み、そのまましばし止まった。

(優人くんに、さわられてる――)

 服の上から背中を撫でまわされている。ただそれだけだというのに、彼の手が下着のホックのあたりをかすめると、きゅうっと下半身がうずいてどうしようもなくなってしまう。

(で、でも、こんなこと……)

 まわりには大勢、人がいるのだ。たとえ服の上からだろうと、背徳感は余り有る。

「……っぁ」

 するり、と大きな手がスカートのなかに滑り込んだ。
 あわてて優人を見上げるものの、彼の表情は先ほどとなんら変わらない。むしろ落ち着いているようにも見える。

「ふ……ぅっ」

 色っぽく息を吐き、美奈は腰をくねらせた。
 優人の手がショーツごしに割れ目を撫でたどっている。ひどく緩慢だ。

(気持ちいい……)

 いけないことをされて、ふしだらな反応をしてしまっているとわかっている。いや、だからこそよけいに秘所が潤んでしまうのかもしれない。
 湿りを帯びた美奈の秘裂に、優人の指が生地を押して食い込む。

「……っく」

 思わず大声を上げてしまいそうになった。しかしこらえる。
 電車のなかは静かではないけれど『そういう』声を出してしまったら、まわりの人に気づかれてしまう。

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posted by 熊野まゆ at 06:01| 満員電車のデキゴコロ《完結》


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