2017年05月27日

秘されし、その甘やかな救済 第二章11


「……柔らかい。それに、温かい」

 唇が離れて開口一番がそれだ。早くマティアスを押しのけなければと思うのに、そんなことを言われては妙な羞恥に見舞われてうまく両手を動かせない。
 ラティーシャがそうしてまごついているあいだにマティアスは彼女のネグリジェの裾をつかんでするすると引っ張り上げていく。

「ゃっ、公爵さま……!」
「マティアス、だ。そう呼ぶようにさっき頼んだじゃないか。もう忘れてしまったのか?」
「いいえ、つい――っ、あ」

 ラティーシャが弁明しているすきをついてマティアスはネグリジェを胸の上までめくり上げてしまった。シュミーズの前ボタンをプチプチと手際よく外し、肩ひもに手を掛ける。

「ま、待っ――」
「そう、マティアスだ」
「いえ、そうではなくて!」

 ラティーシャが言葉を継ごうと口を開きかけたときだった。マティアスはシュミーズの肩ひもをずるりと両方とも引き下ろした。

「あっ……!」

 あらわになってしまったものを隠そうと、ラティーシャは両手を前へ持ってくる。しかし彼女の反応を予測していたらしいマティアスがそれを阻む。マティアスはラティーシャの両手首をやんわりとつかんで両脇に固定する。それからじっくりと、視線で舐めまわすようにラティーシャの乳房を観察した。

「あぁ……なんてきれいな乳房なんだ。きみはどこもかしこもきれいだ。心までも美しく、可憐で……尊い」
「そ、んな……こと。私は……少なくとも心は、美しくなどありません」

 見た目は、母に似てよいほうなのかもしれないけれど、性格は――打算的なところがあるし、建前ばかり言いつらねる。清らかな心など持ち合わせていない。だからこそ、修行を積んで巫女になりたいのだ。
 ラティーシャが肩をすくめると、形のよい豊かな乳房がふるっとわずかに揺れた。華奢な体つきのわりに豊満な乳房はそれゆえにいっそうなまめかしく、それがまたマティアスの性欲と興味を煽る。

「では、これから教えてくれ。俺はきみともっと多くの時間を過ごしたい。密に触れ合うことでお互いを知るんだ。わかるね?」
「……っ! こ――マティアス、さまっ」

 公爵さま、と呼べばまた揚げ足を取られてなし崩しにされかねないので名をよんだのだが、

「ああ、ありがとう。きみに名を呼ばれると体じゅうが歓喜する」

 言いながらマティアスはわしづかみにしたラティーシャのふくらみをふにゃりふにゃりと揉みしだく。ラティーシャは彼の手首をつかんだが、その動きを止めることはできない。

「きみがそうして俺の手首をつかんでいると……きみが俺に乳房を揉ませているようだな」
「なっ……!?」

 ラティーシャがあわてて手を放すと、マティアスはニイッと口の端を上げて、自由になった両手でさらに激しくラティーシャのふくらみを揉みまわした。

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