2016年03月12日

クールでウブな上司の襲い方2-05


★☆★

 おそらく気のせいだが、主任をいつもより近くに感じる。

 柏村主任が持ってきてくれたヴィンテージワインはいままで飲んだどんなものよりも格別に美味しかった。恋い焦がれるひとと一緒に飲んでいる、というのも起因しているかもしれないが。
 つまみはウォッシュチーズだけだけれど、ワインが美味しいのでどんどん飲み進めることができる。
 夜は更け、日付けをまたぐまであと数分となったとき。

「――俺のこと、どう思う?」

 ワインをあおって、ちゃぶ台の上に置こうとしていた。ゴトッ、とやや乱雑にグラスが台の上に戻る。突如として投げかけられた質問に、面食らってしまった。
 柏村が言葉を足す。

「その……俺の部屋は、あんなだが……」
「え……っと」

 ああ、そういう意味か――と、きちんと理解するのには、酔いがまわっているせいでしばし時間がかかった。

「え、と……好き、ですよ。……くまっぷまん、私も」

 どくっ、どくんと鼓動がうるさい。この動悸はきっと、酔っているからというだけではない。

「……風呂に入るか」

 抑揚のない声で柏村がポツリと言った。

「じゃ、じゃあ……準備してきますね」

 優樹菜はサッと立ち上がり、風呂場へ急いだ。

(どう思う、だなんて……! つい告白しちゃいそうになっちゃった)

 いや、場の勢いに任せて想いを告げておくべきだっただろうか。彼のそばにいられるのはあと二週間だけだ。会社では顔を合わせるだろうけれど、いまほど長くは時間を共有できない。
 風呂の準備を終えた優樹菜は居間へ戻り、柏村に「お風呂の準備が整いました」と告げた。

「……では、行こう」
「は、い? あの、どこへ……」
「きみが以前言っていたことだ。一緒に風呂にでも、と。だから……俺の背中を、流して欲しい」

 彼が立ち上がる。
 つかまれた手首が熱い。

「あ、あのっ、ええ……っ!?」

 酔った勢いで一緒に風呂にでも、と誘ったことは確かに覚えている。しかしそれを実現できるとは、正直なところ思っていなかった。
 嬉しいやら恥ずかしいやらで戸惑いを隠せずにいると、なかば無理やり脱衣所に押し込まれてしまった。

「……っ!」

 壁に体を押し付けられたかと思うと、ブラウスの前ボタンが次々とはずされていった。その手際のよさに驚き、あせる。

「しゅ、主任……! あの、本当に……? っ、ぁ……!」

 首すじをちゅうっと吸われ、そちらに気を取られているあいだにブラウスの袖が腕から抜けた。下着のホックをプチンッと弾かれ、胸もとが無防備になる。
 頬をかすめる彼の吐息はあり得ないくらい熱い。酒が入っているからだろうか。
 スカートのファスナーが下がっていく音を聞きながら柏村主任を見上げた。ほんのりと赤く染まった頬と濡れた瞳はなまめかしい。ぞくぞくっ、とあらぬ箇所が疼いてしまう。

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posted by 熊野まゆ at 06:24| クールでウブな上司の襲い方《完結》

2016年03月13日

クールでウブな上司の襲い方2-06


 自分自身が性的に興奮しはじめているのは間違いないが、それでもまだ戸惑いはある。

(いったいどうしちゃったんだろう?)

 ここのところ彼にはたいしたアピールをしていなかった。それなのにいきなりこんなことになっているのが信じられない。
 柏村は優樹菜の服を難なく脱がせ、彼自身も服を脱いでカゴに放り投げていった。
 ジィッと、とくに胸もとを見られているのが恥ずかしくてたまらない。
 彼とのこういう、ハプニング――と呼べるのかわからないけれど、とにかくこういう状況になるのを望んでいたはずなのに、いざそうなると怖気づいてしまっているのが情けなくもある。

「さあ、なかへ」
「……っ」

 腕を引かれて浴室へ入る。胸を両腕で隠してヨロヨロと歩いた。

「しっかり、頼む」

 柏村は風呂椅子に腰掛けて優樹菜に背を向けている。彼の正面には鏡があるが、曇っているのでふたりの姿はぼんやりとしか映らない。

(そうよ、もとは私が言い出したことなんだから)

 優樹菜はスポンジにボディソープを塗りつけてたっぷりと泡立て、そっと柏村の背中に触れた。
 スポンジごしでも、彼の体が硬いのがわかる。着やせするタイプなのか、思っていたよりもガゼン筋肉質だった。
 初めはひかえめにこすっていたが、しだいにじかに触れてみたくてたまらなくなった。雄々しい体を手のひらでたしかめてみたい。
 優樹菜はスポンジを持っていないほうの手を彼の背に添わせた。柏村の肩がピクリと震える。
 背についた泡を広げて腕を撫でおろす。

(たくましい腕……)

 彼がなにも言わないのをいいことに優樹菜は柏村の体を撫でまわした。厚い胸板に欲情しきっていたのだ。
 優樹菜の両腕が鏡のほうへとまわり込む。彼のお腹側に触れるのはしばしためらわれたが、触れたいという欲求には勝てなかった。
 指先が小さな乳首をかすめる。柏村は肩をすくめている。くすぐったいのだろう。
 しかしそんな反応をされると、よけいにそこをいじりたくなってしまう。
 優樹菜はスポンジで彼の乳首を小刻みにこすりながら、もう片方の手を下方へ移動させた。

「……っ、そこは、いい」

 長いこと沈黙していた柏村が口をひらいた。優樹菜が食いさがる。

「でも……大きく、なってますよ?」

 右手で触れた雄物は大きくふくらんで張り詰めていた。優樹菜はそこにも、そっと泡を塗りつける。ピクンッ、と跳ねたのが手の感触でわかった。
 彼の背に胸を押しつける格好になっているのにも気づかず優樹菜は硬い一物を手でまさぐる。ぬるぬると前後にこすり立ててみる。

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posted by 熊野まゆ at 06:18| クールでウブな上司の襲い方《完結》

2016年03月14日

クールでウブな上司の襲い方2-07


 自分自身の吐き出す息がやけに熱い。
 柏村主任が持ち出してきたヴィンテージワインは中身がほとんど空になっていた。おそらくふたりともが同じくらいの量を飲んでいる。

「ん……」

 湯気が立ち込める浴室で、優樹菜は彼の背にしがみつくようにして猛る肉塊をわしづかみにしてしごいていた。

「――……っ」

 すると急に柏村が立ち上がった。にゅぷっ、と妙な音が立って手から陰茎が抜けてしまう。

「交代だ」

 柏村は口早にそう言って、優樹菜の腕をつかんで引っ張り上げた。

「えっ、ぅ、ええっ……!?」

 両肩を押され、つい先ほどまで彼が座っていた風呂椅子に座らされる。

「あ、のっ、主任……っ」

 急に攻守が逆転してしまった。いや、もともと浴室へは強引に連れてこられたようなものだから、これが本来の流れなのかもしれないが、もう少し自分のペースで事を運んでいたかった。
 柏村にとっては逆にそれが気に入らなかったのか、優樹菜が片手に持っていた泡まみれのスポンジを奪うようにかすめ取って彼女の素肌に泡を塗りつけていった。

「んっ、ぁ……! くすぐった、い……ッ」

 背中はまだよかった。しかし脇腹はそうはいかない。左側はスポンジで、右側は素手で泡を押し広げられている。

「主任、やめ……っ。くすぐったい、です……!」

 優樹菜は胸もとを両腕で押さえ、うしろを振り返って抗議した。柏村は「ふっ」と鼻で笑う。

「俺の体をいやらしい手つきでさんざんもてあそんでおいて、よく言う」
「そ……っん、な」

 そんなつもりはなかったし、そんなこともしなかったと否定したい。けれどなにも言えなくなった。
 泡まみれの彼の手が、ふくらみにまで伸びてきてしまったからだ。

「ぁ、っん……ッ」

 乳房の下部、腕で覆いきれていない端のほうをスポンジと指先でつつかれている。左右を交互に、感触の違うそれぞれで揺らされ、腕の力がゆるんできてしまう。

「んっ……は、ぁぅっ!」

 彼の両手が優樹菜の腕をかいくぐるのは造作もなかった。ぬめりを帯びた武骨な手が、ふくらみの形をたしかめるように這う。いただきには触れず、円を描いている。
 優樹菜が確固たる意思で、かたくなに腕を胸に押しつけていればきっと触れられることはなかった。しかし、うごめく手がもたらす快感への誘惑に羞恥心はたやすく降伏して、受け入れてしまった。

「あぁ、っん、くぅ……。ふっ、ぁぅ」

 しだいに全身が汗ばんでくる。暑いのもあるが、快感によるものだろう。ひとりでに腰が揺れ、身もだえする。
 柏村は優樹菜が官能的に反応するのを逐一観察し、ささいな変化にすら注視する。彼女に夢中になっている。

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posted by 熊野まゆ at 06:25| クールでウブな上司の襲い方《完結》

2016年03月16日

クールでウブな上司の襲い方2-08


 ちらりとうしろを振り返り、彼のようすをうかがう。柏村の視線が胸もとに注がれていることに気がついた優樹菜はふくらみのいただきだけでも隠そうと反射的に腕を動かしたが、それよりも先に彼の両手が薄桃色をとらえた。

「んっ、ぅ……! ぁ、ンンッ」

 乳首に触れられるのと同時に耳もとに息を吹き込まれ、もしかしたらそれは彼が意図したことではないのかもしれないけれど、脇腹のあたりがゾワゾワと粟立って下半身に熱がこもってしまった。

「あ、ぁぁ……っ」

 左の乳房の先端を黄色い柔らかなスポンジが這う。シャボン玉にでも触れているかのようだ。薄桃色の表面をひかえめにたどられている。

「ずいぶんと硬く尖ってるな……」

 ひとりごとのようなささやき声が耳朶をくすぐる。優樹菜は浅い呼吸を繰り返しながら悩ましげに喘ぐ。

「は、ぁ……っん……」

 なぜ、どうして彼とこんなことになっているのだろうと、疑問に思わなくなった。もはや戸惑いはなく、むしろこうなることを望んでいたのだから――と、思考は都合よく快楽に溺れていく。

「きみは喘ぎ声もかわいい。……もっと」

 聞きたい、とかすれ声でつぶやき、柏村は右手を性急に動かした。

「んぁぁっ!」

 触れてきた指先はぬめっていた。それなのに、的確にそこをつまんで引っ張り上げる。乳首は二本の指に押しひねられながらぎゅ、ぎゅうっと上に伸ばされている。
 いっぽうで左の乳頭は押し込められていた。スポンジのなかにうもれて右往左往している。

「やっ、ぁ、ぁ」

 優樹菜は柏村が望んだとおりに喘ぎ、もだえて頬を赤らめ、彼を悦ばせる。

「かわいいよ、磯貝さん」
「ふっ、あぅぅ、んぁ……ッ」

 ふだんの彼からは想像もつかない甘い言葉に驚きつつ、そんなふうに言われるとよけいに蜜奥がうずいてじれてくる。
 優樹菜が内股をこすり合わせているところに、見計らったように柏村の左手がやってきた。スポンジを持っているほうの手だ。
 なにをされるのかと思えば、こぶしよりも大きな黄色いスポンジで脚の付け根を割られ、秘芯をぐりぐりと刺激された。

「やんっ、ンン……ッ!」

 そこに触れてほしかったのには違いないけれど、こういう触れ方ではない。

「しゅに、ん……っ! い、いじわる……イヤ」

 もっときちんと主張できればよかったのだが、右の乳首を指で激しくこねくりまわされているものだから、幼な子のようにカタコトになってしまった。

「……ああ、本当にかわいらしい。たまらない」

 柏村は優樹菜に頬ずりをしてから、黄色いスポンジを無造作にポイッと床へ投げた。

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posted by 熊野まゆ at 06:31| クールでウブな上司の襲い方《完結》

2016年03月18日

クールでウブな上司の襲い方2-09


 ごつごつとした骨ばった指が下半身の秘裂を割る。湿りきったそこを人差し指でツウッと撫でられた優樹菜は、ふるっ、と身を震わせた。

「ぁ、んん……っ。ふっ……」

 ヒクヒクと震える花芽のまわりを指がえぐっていく。あまり力は込められていない。しかしそれが、たまらなくじれったい。
 じゅんっと蜜床がうずいて、愛蜜はいっそうトロトロと外へあふれだす。
 柏村はふう、と熱い息を漏らして優樹菜の耳殻を刺激した。

(た、ため息……?)

 あきれられているのだろうかと不安になっていると、ぺろっ、と耳たぶを舌で舐め上げられた。

「ひゃっ!?」
「……耳は、いやだったか?」
「あ、ぅ……っ。ち、ちが……んっ、はぅっ!」

 耳たぶを舐められていることよりも、下半身の豆粒の根もとをグリグリと揺さぶられていることのほうが気になる。もどかしくて、ほかのところ――耳たぶまで敏感になってしまう。

「きみの反応がかわいくて、やめられない……」

 柏村はため息まじりに言って、人差し指でトンッと薄桃色の乳頭を押した。硬い先端は柔肉に沈み、しかしすぐに指を弾いてもとの状態に戻る。彼は乳首が出たり入ったりするのを愉しんでいるのか、執拗にそれを繰り返した。

「やっ、や……! それ、いや……ッ」

 ピクピクと小刻みに脚が震えてくる。上半身も下半身も、敏感なところに触れられているのはたしかなのだが、もっともいいところにはお預けをされている。

「じゃあ、どうすればいい?」

 柏村が、勝ち誇ったような愉悦まじりの笑みを浮かべていることに優樹菜は気づかないまま答える。

「も、もっと……。えっと、強く……?」

 どうされたいのか自分でもよくわからないのでそんなふうに言った。

「強く? それは、痛くしていいってことか?」
「……っ、んぁぁっ!」

 力任せにぎゅうっと乳首をつままれた。割れ目のなかの淫核は指でグリグリッと押し込まれている。

「ひぁぁっ、ん、ぅくっ……」

 痛くしてもいいのか、と訊かれたが、彼はたぶん本当にそうするつもりはない。
 指の動きは力強くて奔放だけれど、乱雑ではない。

「気持ちよさそうだな」
「ふぅっ、く……ンン……ッ」

 彼の語調はけっして強くない。どちらかというと淡々としていて平坦なのに、その声音にひどくあおられてしまう。淫乱だ、と責められているような気がしてくる。

「はぁっ、あ、ん……っ! ふぁっ、ぁ、ああ……!」

 上のつぼみと下の花芯を指でこねくりまわされ、どんどん快感が高まってのぼりつめていく。

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posted by 熊野まゆ at 04:37| クールでウブな上司の襲い方《完結》


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