2017年10月16日

淫らに躍る筆先19



(ああ、やっぱり好き……!)

 彼と再会して、いっきに想いがふくれ上がって。会うたびに彼の新しい面を知って、体を重ねるごとに愛しさがあふれて胸がいっぱいになる。

「龍生さ……ん、んんっ! すき……!」

 そうしてこのあふれんばかりの想いを口に出さずにはいられなくなって告白するのだ。
 龍生はぴくっと肩を揺らして、ゆっくりと顔を上げた。

「不意打ちが得意だよね、和葉ちゃんは」

 困ったように笑い、指でぽりぽりと?をかく。

「も……くだ、さい。龍生さん」

 蜜をたたえる奥底がひくひくとけいれんしている。彼のものを欲して身もだえしてるのがわかる。はしたないことを言っている自覚はあるけれど、これ以上がまんできない。

「……うん」

 小さな声で返事をして、龍生はスラックスのベルトを外して前を開け広げにした。雄の象徴であるそこは気がついたときにはいつもふくらんでいる。いまも、天井に向かって猛々しくそそり立っている。

「うしろを向いて」

 和葉は「はい」と言いながら立ち上がり、彼に背を向ける。椅子の背もたれに両手を添えると、大きな手のひらで腰もとをつかまれた。腰を引かれ、尻を突き出すような恰好にさせられる。
 龍生は和葉のスカートをあらためてめくり上げ、みずみずしい桃のような尻をすり、と一度だけ腰のほうへと撫でてから彼女の秘所に一物をあてがった。

「ん――っ、ふ……!」

 非日常的な「ぬぷっ」という水音を立てて猛々しい剛直が突き込んでくる。彼を受け入れるのは久しぶりというわけではないから痛みはまったくない。あるのは彼の肉竿が内襞をこすりめりめりと入り込んでいく快感と幸福感だけだ。
 最奥まで達すると、雄棒はいったん入り口のあたりまで戻ってしまった。

「ふ、ぁ……っ」

 長いスパンで入り口から終わりまでをゆっくりと、ひどく緩慢に往復される。

「ん……や、ぁあ……」

 気持ちいいけれどじれったい動きには違いなく、彼の肉棒がやんわりと行き止まりを突くと「もっと激しく」と願い、入り口のあたりまで遠のいてしまうと「行かないで」と引き止めたくなる。
 ぐちゅ、ぬちゅっ、ぐちゅうっ。
 緩慢な動きのわりに水音だけは激しくなっていく。彼のじれったい抽送が蜜壷をますます潤ませるのだ。

「……すごい水音だね」
「――!」

 吐息混じりの声が和葉をますますたまらなくさせる。自分の体から発せられるこの音をそんなふうに言われては本当にたまらない。むずがゆいしびれが足先からのぼりつめてきて頭から抜ける。あとに残るのは焦れをともなったどうしようもない甘いしびれだ。

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posted by 熊野まゆ at 08:31| 淫らに躍る筆先《完結》

2017年10月15日

淫らに躍る筆先18


「スカートと椅子を濡らさないように――って、気にしてる?」

 上目遣いで問われ、和葉は「はい」と小さく答えた。

「……気にしなくていいよ」

 そのあとに続く言葉はなかった。なぜ気にしなくてもよいのか、彼の行動を見ていればわかる。

「や、やっぱり……それ、するんじゃないですか……!」

 先ほどはしらを切ったくせに、やはり足の付け根を舐めるつもりなのだ。

「しない、とは言ってない。……まだ、恥ずかしい?」

 そこを舐められるのは何度めだろう。いやだ、やめてと言っても龍生は絶対に実行するのだ。

「まだ、というか……いつだって恥ずかしい、です」

 蜜のあふれ口やその上の肉粒を舐められるのは気持ちいいのには違いないが、体中の水分が蒸発してしまうのではないかという勢いで恥ずかしいのにも違いない。

「回を重ねるたびに慣れていくものなんじゃない?」
「な……慣れませんっ。きっと、ずっと!」

 和葉が顔を真っ赤にして憤るのが面白いのか、龍生は「ははっ」と笑ったあとでべえっと赤い舌をのぞかせた。肉厚な舌を前にして、和葉は縮み上がる。

「だめです、ほんとに……っ!!」

 和葉は力いっぱい首を横に振るものの、聞き入れてはもらえない。

「じゃあ少しだけ」

 彼はいつだってそう言って、長々とそこを舌で愛撫するのだ。

「やっ、待っ――んぅ!」

 膣口と陰核を順番にべろりと舐め上げられる。

「だ、ゃ……っんん、やぅっ……!」

 じたばたと両脚をばたつかせてみても彼は舌でしつこく追いまわしてくる。逃げられた試しがない。
 彼の黒髪は触れると柔らかい。その柔らかな髪がふわふわと揺れて脚の内側をこする。龍生は顔の角度を変えながら和葉の花芯にちゅっと口づけて舌でつつき、そのあとは口に含んでじゅうっと吸い上げた。

「ひぁああっ!!」

 ――恥ずかしい、けれど気持ちがいい。
 彼の舌がそこを這うたび、吸い上げられるたびに甘く心地よいしびれが全身をひた走る。羞恥心は快感に押し負けそうになるものの、彼がぴちゃっと水音を立てることで恥じらいが再燃する。

「ふ……」

 たまに漏れ出る彼のなまめかしい吐息もまた官能的だった。長いまつげを伏せて愛おしそうに口づけ、舌を動かす龍生は卑猥なことをしているとはいえ神聖なもののように思えて、胸がきゅうっと締め付けられる。

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posted by 熊野まゆ at 07:58| 淫らに躍る筆先《完結》

2017年10月14日

淫らに躍る筆先17


「責めてるわけじゃないよ」

 龍生は和葉の気持ちの変化に機敏だ。和葉としては、どうして考えていることがわかるのだろうといつも疑問に思う。

(でも、それなら……私がじれったく感じてるのもわかってるはずなのに)

 じかにそこに触れて欲しいのだと、彼はじゅうぶんわかっているはずだ。優しそうに見えて、龍生は意外と意地悪なのだと和葉は最近になって知った。

「……龍生さん」

 相手の名前を呼ぶことは彼の意思表示だ。だったらこっちだって、という思いで和葉は龍生を見つめる。龍生はほほえんだまま小さくため息をつき、膝を折った。無機質なタイルの上に両膝をつき、和葉のショーツの端に手をかける。
 ストッキングと一緒につま先へ向かってするすると脚を滑り落ちていく、濡れそぼった自分自身の下着を和葉は声もなく見送る。
 下着も、ストッキングも、靴すらもすべて脱がされて、残ったのは紺色のスカートだけだ。

「全部脱いでしまったら恥ずかしいだろうから、スカートは残しておくね」

 ――嘘。
 心にもないことを言わないで欲しい。彼の本当に意図はべつにあるのだと、さすがにわかる。

「……いじわる」

 和葉がぽつりと言うと、龍生は意味ありげに笑みを深くした。ほほえんだまま、和葉の胸と胸のあいだを指でたどる。筆でなぞられたときとはまた違った快感がほとばしり、これはこれでやはり気持ちがよい。
 大きく息を吸い込み、短く吐き出す。彼の指先のじれったさをやり過ごすにはこうするのがいい。

「筆できみに触れてるとき……本当はじれったかったんだ」

 彼の顔がしだいに真剣味を帯びてくる。

「じかに触れたくてたまらなかった。きみの肌がなめらかなのを、俺はもう知ってるから」
「……っ!」

 龍生の両手が急に乳房をつかんできた。やけに性急だった。

「あっ……ぁ、んぁっ……!」

 感触を堪能するように激しく揉みまわされ、同時にふくらみの頂点も指のあいだでくにくにと刺激されて喘ぎ声が止まらなくなる。
 乳頭を指でなぶって欲しい、と思ったそのとき、龍生の無骨な指先が尖りを押しつぶした。

「ひぁっ! あぁ……んっ、そこ……あ、ぁぅっ」

 彼も焦れていたというのは本当のようだ。いきなり激しい指遣いで乳首をめちゃくちゃになぶられる。
 和葉は喘ぎながら必死に脚を閉じた。そうしていなければスカートや椅子が淫らな蜜で汚れてしまう。そのことに龍生が気が付かないはずもなく、彼は和葉の胸をつかんだまま上体を低くした。

「ぁっ……や、だめ……!」
「……なにが?」

 俺はまだなにもしていないよ、と付け加えて龍生は肘を無理やり和葉の脚のあいだに割り入らせる。

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posted by 熊野まゆ at 07:30| 淫らに躍る筆先《完結》

2017年10月13日

淫らに躍る筆先16


「よく動く、元気なキャンパスだ」

 からかうような調子でそう言って、龍生は平らな筆先で和葉の色づいたいただきをなぶる。筆遣いは荒々しい。猛り狂ったなにかを描いているようだった。手首のひねりがいかにも優美で、それでいて豪快なその仕草に和葉はほれぼれするのと同時に快感がいっきに高まった。

「はぅっ、う、んんっ……!!」

 これだけで絶頂してしまうのではないかと思う。それくらい刺激的だった。
 アトリエの倉庫で、上半身は裸で、講師である彼に筆で乳首をなぶられている。あらためて自覚したとたん、和葉はビクッ、ビクッと下半身を震わせた。龍生の瞳がわずかに見開き、筆の動きが止まる。

「……もしかして」

 続きは言われずともわかる。隠しても仕方がないので和葉は目を伏せたままこくりとうなずいた。そうして頭を下げたまま、上を向くことができない。龍生はいまどんな顔をしているだろう。

「……どんなふうになってるのか、確かめても?」

 頭上から声が降ってくる。羞恥心を煽るためにあえて訊いているのではないかと邪推してしまう。和葉は首を横にも縦にも振らなかった。
 龍生は筆をキャンパスにあずけて和葉のスカートの裾をつかんだ。両手でスカートをめくり上げられ、反射的に脚を閉じる。

「和葉ちゃん」

 名前を呼ばれただけだ。しかし、語調が強かった。「隠すな」と言われているも同然だ。
 和葉の両膝をつかんだ龍生はゆっくりと左右に手を動かして秘所を暴く。白いショーツの真ん中に丸い染みができていた。
 彼が笑う。その笑みで、自分のそこがどうなっているのかよくわかった。

「いつもよりも感じてる?」
「そっ……え、と……」

 いつだって彼にはこんなふうにされてしまうから、いまがよりいっそう感じているのかと問われても、自分のことながらよくわからない。

「わかりま、せ……ん」

 龍生は和葉の丸い染みめがけて右手を伸ばす。湿っている部分を指でたどり、これみよがしに際立たせる。

「ぁっ……ん、んっ」

 彼の指にショーツの生地が押されて蜜口とその上の花芽に張り付く。濡れた生地を肌に押し付けられればふつうは不快なはずなのに、正反対に――快く感じてしまうのはそこが秘められた箇所だからだ。

「やっ……ん、ふ……んぁっ」

 生地ごしに触れられるのでは物足りない。声を大にしてそう言いたいけれど、羞恥心が邪魔をする。

「ますます湿ってきたみたいだ」

 感心しているような口ぶりだった。いったいどれだけ濡れるんだ、と咎められているような気がした。和葉の表情が自然と険しくなる。

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posted by 熊野まゆ at 07:51| 淫らに躍る筆先《完結》

2017年10月09日

淫らに躍る筆先15


 見ないで、と言ったところでいままでの経験上、無駄だとわかっている。
 初めは冷たかった筆はしだいに肌の温度になじんでいった。しかし龍生は筆先にまた水を滴らせる。龍生はパレットに絵筆をいったんあずけ、すぐにまた和葉の肌へ戻した。

「ふっ……!」

 ひややかな筆先が乳房の下のほうを撫でる。輪郭をたどるようにゆっくりと這う筆先はそこに命があるかのように生き生きと動いている。そう錯覚してしまうのは、きっと龍生の筆遣いが巧みだから。
 筆の先がふくらみの稜線をのぼり始めた。薄桃色の部分へと忍び寄る。胸の中心に触れられるのを期待してか、自然と息遣いが荒くなる。

(……じれったい)

 白い筆先はなかなか欲しいところへやってこない。薄桃色と肌色の際に触れてはまた遠のく。それを繰り返している。

「……胸を揺らして、誘ってる?」
「えっ!?」

 指摘されるまで気がつかなかった。確かに、体が揺れてしまっていた。和葉はピタリと動きを止める。

「ち、ちが――」

 ――いや、なにが違うというのだろう。ふくらみの尖っている部分を筆でなぶって欲しいと切望しているではないか。

「……その……違わない、です」

 すると龍生はほがらかに笑った。

「正直だね」

 パレットの水に筆先を浸し、和葉の胸の前へと持ってくる。

「んぁっ……」

 ようやく欲しいところに筆が触れた。絵筆の先は和葉の乳輪をかたどるようにぐるぐると円を描く。筆で描かれた水の軌跡はすぐにすうっと溶けて肌になじんでいく。

「は……ん、んん……っ」

 色を塗り込めるように、幾度となく筆で乳輪をたどられた。筆は水を重ね、和葉の薄桃色を濃いものにする。筆に触れられていない尖端がたまらずひとりでに起き上がる。

「和葉ちゃんの乳首……可愛らしく尖ってる」
「ふ、うぅっ」

 胸の先がそんなふうになっているのはわかっていた。それでも、指摘されるとよけいに恥ずかしい。和葉はピクン、ピクンと肩を揺らして唇を噛みしめる。

「笑ってる顔も好きだけど、そうして恥ずかしそうにしてる和葉ちゃんもすごくいい」

 龍生は口の端を上げて手首をひねる。

「だからつい、いじめたくなる」
「ぁあっ、あ……!」

 筆先がツン、ツンッと薄桃色の棘をいたずらにつついた。押してはすぐに離れ、和葉にもどかしさを募らせる。

「や、あぁっ……! もっと、ちゃんと……ッ」
「……ちゃんと?」

 楽しげにほほえんだまま龍生は平べったい毛先で乳輪の際をこすり立てる。和葉は「ひぁぁっ」と高い声を上げて右へ左へと胸を揺らす。

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posted by 熊野まゆ at 07:28| 淫らに躍る筆先《完結》


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